子供を助け父親が溺れる。残された母親と娘がかわいそうでしょうがない|奄美大島

2023年7月5日午前に鹿児島県・奄美大島・
龍郷町に神奈川県から観光に来ていた
男性が、海で溺れていた娘を助けた後、
そのまま溺れて亡くなるという悲しい
事故が起きました。

その時の情景を想像すると、とても
耐えられるものではありません。

また、残された母親と子供のことを考える
と不憫でなりません。

7月に入り海水浴の季節になり、
コロナ禍後の最初の夏。

久しぶりに海水浴へ行き、はしゃぎたい
季節ですが、毎年のように起こる海難事故
を少しでも避けるために今回の事故から
学ぶことも多いはずです。

ぜひご覧いただきたいです。

子供を助け父親が溺れて死亡

2023年7月5日午前に鹿児島県・奄美大島・
龍郷町で、神奈川県から観光に来ていた
会社員男性(39歳)が溺れた4歳の娘を
助けた後、亡くなりました。

男性は、家族5人で奄美大島に観光に来て
いたということです。

午前8時半ごろから、父親、母親、4歳の娘の
3人で海で遊んでいましたが、父親と娘が
入った浮き輪が流され外れてしまい、
4歳の娘が溺れてしまいました。

すぐに娘を助けた父親が、娘を抱き抱え
ながら海岸に向かって泳ぎ母親に娘を
渡した後に沈んでしまったとのことです。

ホテルの従業員が溺れている男性に気付き、
「ホテルの沖合い50メートルから
100メートルで、人が沖に流されている」

と118番通報で救助を求めました。

男性は、ホテルの従業員に救助されました
が搬送先の病院で亡くなりました。

事故があった現場は、クレーター型の湾に
なっていて、とても綺麗な場所で有名です。

クレーター型の湾とは

クレーター型の湾は、湾内部が深く
なっているため、水深が急に変化する
ことがあります。

また、湾口が狭いため、外洋との交流が
制限され、潮の満ち引きや海流の影響が
比較的少ない特徴があります。

奄美大島・龍郷町の赤尾木湾は、隕石の
落下でできたクレーター型の湾と言われ
ていて、遠浅の海が広がり、大変美しい
砂浜が広がることで有名です。

 

 

奄美大島・龍郷町
引用:google map
奄美大島・龍郷町
引用:google map

 




事故が起きた要因

奄美大島でも有数の風光明媚な美しい海で
なぜ今回のような事故が起きてしまったの
でしょう。

日本の海水浴場のほとんどが遠浅の海です。

遠浅の海とは

遠浅の海は、海岸から沖に向かって水深が
ゆっくりと増える海です。

波の浸食や潮の満ち引きによって形成
された砂浜や砂地が特徴で、海水浴や
レジャーの場として人気です。

この奄美大島・龍郷町の赤尾木湾も
同じように遠浅の海で、波打ち際で
遊ぶのに適しています。

沖に向かって徐々に深くなっていきます
ので、海岸から2〜3mの場所であれば、
水深は1〜2mですので、通常の大人は
そこまで怖くはない深さ
となります。

4歳ですと平均身長が1m前後ですので、
浮き輪を使ったり大人といればギリギリ
遊べる深さでしょう。

とはいえ、子供は確実に足がつかないの
で、波打ち際で遊ぶことを推奨します。)

 

当日の天気

それでは当日の天気はどうだった
のでしょうか?

事故当日の天気は晴れていて、

風速は7.4m/s

だったそうです。

風速7.4mというと船が出航を止めるか
やめないかの境目くらいの風で、
レジャーにも向いていません。
サーフィンですと上級者向けです。

今回の事故の一因として、

「風が強かった」

ということが挙げられます。

通常海で遊ぶレジャーに推進される風速が
5m/sまでと言われていて、今回の風は
体感的にも結構強めだった
ことが
わかります。

※これはホテル側も海で遊ぶのを、
ひき止めるべきだったのかもしれません。

父親は都会在住の会社員ですので、
こういった自然のレジャーに適した自然の
脅威には危機感が薄かった可能性も
ありますね。

今回も風が強く、風で浮き輪が流されて
しまい子供が溺れるというところから
事故が始まっています。

 




離岸流の可能性

今回の事故は風が強かったのが要因の
可能性が高いということで、離岸流に
関しての報道はありませんでした。

ただ、毎年この離岸流を知らずに事故が
起きている
ので、危険回避のため
記述したいと思います。

離岸流
引用:https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20220712a.html

 

離岸流とは

離岸流とは、海岸から沖に向かって流れる
強い海流のことです。

一般的には波の押し寄せる方向とは
逆方向に流れ、通常の波より早い速度
で、100m先の沖まで続きます。


離岸流は泳ぐ人や海水浴場で遊ぶ人に
とって危険をもたらすことがあります。

特に波の大きい日や突然の潮の変化時に
発生しやすく、人が引き込まれる可能性
があります。

離岸流は通常の波の流れよりも早いのが
特徴ですが、見た目ではほとんど
わかりません。

早いところでは2m/秒ほどの速さもある
ので、逆らって泳ぐのも困難です。

遠くへ流される前に自力で脱出すること
が困難になるため、離岸流に注意し、
遊泳エリアや監視員の指示に従うことが重要です。

 

離岸流に巻き込まれた場合の対処法

見た目にはわかりづらい波ですので、もし
最悪離岸流に巻き込まれた場合以下の
対処法が有効と言われています。

 

離岸流の対処法
  1. 冷静になる: まずは慌てずに冷静な
    状態で対処することが重要です。

    海の中でパニックになると上下が
    わからず最悪沈んでしまいます。

  2. 流れに逆らわない: 離岸流に逆らって
    泳ぐことは非常に困難です。

    泳ぎが苦手な場合は、無駄な
    エネルギーを使わずに、流れに身を
    任せることが大切です。

    浮き輪などがあれば、そのまま波に
    逆らわず沖まで出てしまい救助を待ちます。

  3. 平行に泳: 泳ぎが得意であれば、
    離岸流に流されている間、できるだけ
    海岸に平行に泳ぐ
    ように努めましょう。

    流れが弱くなったと感じたら、斜めに
    岸に向かって泳ぐことを試みます。

  4. 助けを求める: 近くに人がいる場合、
    助けを求めましょう。

    周囲に泳げる人や監視員がいるか
    確認し、声を出して注意を引くことも
    有効です。

離岸流対処法
引用:https://mainichi.jp/articles/20170813/k00/00m/040/128000c

 

離岸流から抜け出す方法動画

万が一離岸流に巻き込まれてしまった際の
抜け出し方をアニメーションで解説しています。

 

 

子供向け外れない浮き輪

今回の事故の一因として、子供の浮き輪が
外れてしまい流されたとのことでしたので、
少しでも安全性が高い浮き輪を紹介します。

Amazonでも子供用の浮き輪が紹介されて
います。

私なりに『さくらチェッカー』で評価が
高いものをいくつか調べてみました。

よければ参考にしてみてください。

カスタマーレビュー4.1/5

対象年齢:記載なし

カスタマーレビュー3.9/5

対象年齢‎:18~35か月

カスタマーレビュー4.4/5
対象年齢:小児(サイズあり)

カスタマーレビュー4.4/5
対象年齢:小児

海での救助方法

それでも、事故というのは突発的に
起こるものです。

こちらの動画では、プロのレスキューが
溺れた人を助ける救助方法を指南
してくれています。

溺れている人を発見した時のNG行動、
実際にレスキュー隊員がどのように救助
しているのかがわかりやすく紹介されています。

10分ほど動画ですので、一度見てみては
いかがでしょうか。

 

 




自然の中で大人がついていれば大丈夫は通用しない

7月に入り、海や山でのレジャーの季節に
なりました。

子供が一緒だと、自然に触れさせて
あげたいという親心から、海や山へ行く
選択肢が増えると思います。

 

今回の事故も、風が強い中でしたが、4歳の
娘さんを喜ばせようという親心からだという
のは本当に理解できます。

4歳というと、コロナ禍の中で育ってきて
いたはずですので、もしかしたら生まれて
初めての海だったのかもしれません。

そんな最愛の娘さんのためなら、
朝早く起きてホテルの目の前に綺麗な海が
広がっていたら、遊ばせたくなります
よね。

亡くなった父親は39歳という精神的にも、
体力的にも一番充実してきている年齢です
ので、多少風が強いくらいであれば
問題ないという自信があったのでしょう。

私も、同じ状況であればテンションが
上がり、確実に同じように遊んでしまう
と思います。

 

ただ、当たり前なのですが、自然が相手だと
どんなに屈強な大人でも、通用しない危険が
伴うこと
を忘れてはいけません。

確かに、何かあってからでは遅いというのは
毎年こういった事故が起きた時に言われて
いますし、こういう事故から学ぶことが
たくさんあります。

 

残された母親と娘がかわいそうでしょうがない

今回の事故で亡くなられた父親は本当に
最後まで娘を助ける一心で頑張り
、最後は
力尽きてしまいました。

何より、目の前で父親が溺れていくのを
見ていた母親と娘がかわいそうで
しょうがありません。

ネットでも

「想像するとつらい」
「苦しくなる」
「切なすぎる」

といったような意見が多いです。

確かに想像すると辛い出来事ですし、
残されたご家族のことを思うと胸が
締め付けられます。

ただ、この父親はなんとしてでも最愛の
子供を助けようと必死だったという事実が
あり、助かった娘さんは命をかけて
自分を守ってくれた父親のことを
一生忘れないことでしょう。

母親も、最後まで命をかけて娘を助けた
夫を誇りに思っているに違いないです。

謹んでご冥福をお祈りすると共に、
残された家族が強く生きていくことを
願います。




まとめ

コロナ禍が終わり旅行会社や政府も積極的に
旅行を推進しています。

真夏のアクティビティとして、海や山の
リゾート地への観光は昔からの
アクティビティですが、どんな場所でも
危機感を持っていたいですね。

今回の事故は、自然の脅威が身近にあること
を改めて感じるきっかけになりました。

海では、風の強さ、波の高さ、離岸流など
一見してわかりづらいことが要因になり
脅威となって降りかかります。

宿泊先のホテルや、現地の人の言葉を
よく聞くことも大事です。

これから旅行の計画を立てている方に
とって、一つでも危機管理になればと
思います。