2023年7月16日島根県の海岸で海水浴に
来ていた男性が子供2人を助けた後、
溺れて亡くなるという事故が起きました。
最期まで子供を救うことだけを諦めず、
見つかった時には男性は意識不明
だったということです。
子供2人は命に別状はなかったとのこと
ですが、残された家族が不憫でなりません。
場所は、観光名所となっていて普段からも
たくさんの人が訪れる場所です。
家族の楽しい思い出作りにという父親の
気持ちが痛いくらいわかり、とても
悲しくなります。
夏になると水場での事故、海難事故が一気に
増えますが、なぜこのような事故が
毎年起こるのでしょうか。
「自分は大丈夫」
と思うのは人ですから当たり前なのですが、
「自然の中でこそ危機感を感じなければ
ならない」
「そこから学ばなければいけない」
という気持ちを皆が持てればと思い、とても
苦しいのですが、今回はあえてこの事故を
詳しくみていきたいと思います。
目次
海水浴で起きた悲劇!
2023年7月16日午後島根県出雲市の海岸で、
両親子供2人の4人で海水浴に来ていた家族
の父親が、波に流された2人の子供を助け
溺れて亡くなるという事故が起きました。
なぜこのような事故が起こってしまったの
でしょうか。
事故当時子供は2人とも小学生で、両親とは
少し離れ海で遊んでいたとのこと。
両親が少し目を話した隙に、さっきまで海で
遊んでいた子供の姿が見えなくなったことに
気づき、沖合を探したところ会場に子供2人
を見つけ、父親が救助に向かいましたが、
今度は3人とも姿が見えなくなりました。
母親はすぐに周りにいた男性2人に助けを
求め、3人を探したところ沖合で3人を
見つけたそう。
すぐに119番通報し3人を助けましたが、
その時すでに父親の方は意識不明の状態で、
救急搬送されましたが搬送先の病院で
死亡が確認されたとのこと。
発見された時、子供2人は父親に捕まる
ようにしていて父親は仰向けの状態でした。
流された原因は離岸流の可能性
当日の現場の天気は晴れていて、34度以上の
気温でかなり暑かったそう。
現場は遠浅の海ですので、通常であれば
小さな子供と遊ぶにはちょうどいい場所です。
事故の詳細はまだ調査中とのことですが、
状況から「離岸流」に巻き込まれた
可能性が強いことがわかります。
子供達は2人とも小学生ということでした
ので、身長は100cm~150cm程度かと
思われます。
波打ち際や、足が届く海岸から1~2mくらい
の場所で遊んでいるのが普通ですが、
離岸流に巻き込まれると身動きが取れず
沖まで流されてしまいます。
3人が発見された場所は海岸から35m付近の
沖だったということで、大人でも泳いで
いくのは危険な距離です。
子供達だけで35mの沖まで泳いだことは
考えにくいので、離岸流で流された子供を
助けるために海に飛び込んだ父親も離岸流
に巻き込まれたという状況かと思われます。
離岸流は通常の波の何倍も速いスピードで、
沖に向かって流れます。
巻き込まれると人間の力では逆らうことは
難しく、対処の方法を知っていないと
パニックになってしまいます。
さらに今回は、子供2人を抱えていたこと
でしょうし、どんなに屈強な大人でも
離岸流から抜け出すのは難しいでしょう。
離岸流は海岸線から沖へと流れる海洋の
流れであり、海風や波の力によって生じ
ます。
海岸線に平行に流れ、通常は海から陸へ
と向かう表層流とは逆向きの方向へ行く
波の力を持ちます。
浮き輪やライフジャケットがあれば結果は違った可能性
今回の事故のニュースでは、浮き輪や
ライフジャケットについては触れていません
でした。
タラレバになってしまいますが、離岸流に
巻き込まれた際に、もしも浮き輪や
ライフジャケットを着用をしていれば
助かった可能性もあります。
離岸流に巻き込まれると海の中で
揉みくちゃにされる可能性もありますが、
浮き輪やライフジャケットを着用して
いれば、自然に浮かび上がります。
沖に流されても、こういった道具があれば
助かる可能性が上がります。
どんなに慣れ親しんだ海で、泳ぎが得意
でも自然と人間の力の差は言うまでも
ありません。
水辺で遊ぶ際には、少なくとも子供には
浮き輪やライフジャケットの着用を
お勧めします。
近年では腕につけて緊急時に膨らませる
ことができるタイプの緊急用の補助具も
発売されていますので、参考にしたいです。
値段は5000円くらいと少し高めですが、
命には変えることができません。
この商品「スケダッチ」はダイビングなどの
マリンスポーツで使用される方も多く、
特に夏場になると売り切れ続出するので、
オフシーズン中に手に入れておくことを
推奨します。
ガスを使用して1秒で膨らむ
設計です。
海外旅行に行く際は、
機内に持ち込めないのでご注意ください。
事故現場は神話のパワースポット
事故現場は稲佐の浜と言い、島根県の
出雲大社の近くの海岸で、パワースポット
としても有名で、観光客が多く訪れる場所です。
ここには大きな岩の上に鳥居があり、
出雲大社にお参りに行く前にこの海岸で
砂をいただき、出雲大社に持っていくと
「お清めの砂」と交換してくれるそう。
近くには遊覧船乗り場などもあり、
事故当日は3連休の中日の日曜日(午後)
でしたので、多くの観光客がいたそうです。
この家族は島根県出身ということで、
地元ですので、何度も訪れていた
可能性があります。
2人の子供を救った45歳父親の英雄的な行動に称賛の嵐
海で姿が見えなくなった2人の子供を
救うため救助に向かい、自分よりも子供の
命を優先した父親の行動。
ネットでは、全てを投げ打ってでも子供を
助けた父親に称賛の声が上がっています。
父親は命を落としていますので、不謹慎
かとも思いましたが、自らの命を顧みない
この行動の凄さを感じ、
あえて切り抜いてみました。
- お父さん二人を救えたから良かった。
自分は帰らぬ人になってしまった
けれど、やはり子供が助かることが
一番の望みだったと思います。 - お父さん、最期まで頑張りました。
これ以上の言葉が出ません。 - きっと、子供の命を失うほうが、
自分が死ぬよりも辛かったと思います。 - 子供達は命を懸けて守ってくれた
お父さんを一生忘れない。 -
お父さんの 為にもしっかりとこの先も
生きていってください。 - 我が身を省みず助けに向かった
お父さん、子供達は助かりました。
あなたのお陰です。 - 文字通り命懸けで二人を助けた
お父さん、凄いです。 - 体を張って子供達を守った父親は僕は
尊敬します。 - 我が子の為なら生命を投げだす覚悟、
立派な父親だと尊敬します。 - 我が子が溺れていたら、考えるより
先に体が動いて助けに行くのが親。 - とてつもない父親の愛情と責任感
見習いたい。
残された家族に声をかけてあげることが大切
残された家族は深い悲しみを負い、2人の
子供はこれからそのことを背負って生きて
いかなければならなく、これから辛いこと
もあることでしょう。
母親も、心に深い傷を負っていること
でしょうし、まだ小学生の2人の子供を
育てなければいけなく、その大変さは
想像がつきません。
もちろん子供だけで海で遊ばせていたり、
少し目を離してしまったりと、親にも
落ち度があるかもしれませんが、
結果論でしかなく、そう言うところで親を
責めることは違うかと思います。
現場にいないで当時の状況もわからない
状態で、誹謗中傷や罵声を浴びせるなどは
もっての外です。
どんな親でも人間ですので完璧ではないし、
周りに他の大人もいれば一瞬だけ気を
抜いてしまうこともあるでしょう。
後悔しても父親は戻っては来ませんし、
まずは周りの人も含めこの3人の家族に声を
かけてあげることが何より大切だと思います。
日本は世界でも有数のメンタルクリニック
大国ですので、そういったところを使い、
なるべく心に傷が残らないようにするケア
も大事です。
まとめ
今回は夏に起こった悲劇の海難事故を
取り上げました。
事故現場は、観光名所となっている場所で
人が多く、遠浅の海岸で通常であれば
子供連れには安心な場所でした。
日中の事故ですので、一見して危険と
思われる部分はありません。
そんな中起こってしまった事故は、自らの
危険を顧みず子供2人を救った父親が
英雄視されましたが、父親は命を落とす
結果となったとても悲しい事故です。
自然の中で遊ぶことは、メジャーな
アクティビティで家族や仲間と触れ合う
素敵な時間や思い出となります。
ただその一方では、危険を伴うことを
忘れてはいけません。
毎年夏になると、海や河川、山での事故が
急増します。
楽しい思い出にするために常に危機感を
持ち、準備を怠らないということが、
まずは自然の中で遊ぶというところの
スタート地点なのかもしれませんね。
「過剰な準備をしたが結局何もなかった」
ということが一番良い結果ではないでしょうか。